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ゆさぶるカルチュラル・スタディーズ

ゆさぶるカルチュラル・スタディーズ

通常価格 ¥2,530 JPY
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コギャル、都会と地方、モバイルメディア、F1、音楽、フェミニズム、漫画、ボディ・プロジェクト、社会運動、アート等、多様な文化の側面から逆なでに読み解くカルチュラル・スタディーズ入門。またカルチュラル・スタディーズとはなにか? 今までのカルチュラル・スタディーズの軌跡を概観しつつ、これからの課題についても示唆した意欲作。

目次

第1章 モバイルメディアの殻・繭・棘(ケイン樹里安)
 第1節 殻と繭
 第2節 監視vsチル
 第3節 棘
 第4節 夢と悪夢のスマートシティ
 第5節 全力と諦念
 研究コトハジメ:深夜のマクド

第2章 「ここ」ではない「どこか」へ:都会と田舎をめぐる若者の物語を移動/越境から考える(清水友理子)
 第1節 移動は「田舎から都会へ」から「都会から田舎へ」へ?
 第2節 どこへでも行ける?フラット化=ポスト・アーバン化する社会
 第3節 さらに遠くへ、あるいは、ずっと地元のままで?
 第4節 「田舎vs都会」を超えて
 研究コトハジメ:フィールドに出る一歩手前の準備:五感を働かせる

第3章 奪い・奪われ・奪い返すスタイル:サブカルチャーとしてコギャルを読み解く(関根麻里恵)
 第1節 サブカルチャーとは何か
 第2節 コギャルというサブカルチャー
 第3節 スタイルをめぐる闘争と交渉
 第4節 進化する(コ)ギャルスタイル
 研究コトハジメ:『GALS!』が教えてくれたこと:フィクション作品が与えた影響について

第4章 フレンチポップのなかのジェンダー構造:ラブソングにおける対抗的実践を読みとる(中條千晴)
 第1節 フレンチポップのラブソングに見る男女の関係性
 第2節 現代フランスとフェミニズム
 第3節 アンジェルの『Balance ton quoi』に見る実践
 第4節 結論(づけないために)
 研究コトハジメ:ポピュラー音楽を分析する

第5章 レズビアンの剥片化に抗して:『作りたい女と食べたい女』を読む(竹田恵子)
 第1節 セクシュアル・マイノリティの存在・アイデンティティ・権利
 第2節 ポルノ、そして「百合」から「レズビアン」の表象へ
 第3節 「レズビアン」存在の剥片化に抗して
 研究コトハジメ:「自分のありかたを発明する」

第6章 スポーツのファンダム:クルマ文化とF1(加藤昌弘)
 第1節 参加型文化としてのF1のファンダムを捉え直す
 第2節 F1と映像メディア
 第3節 グローバルなスポーツはナショナリズムを変えるのか
 第4節 グローバル資本主義と格差の問題
 第5節 女性とF1のかかわり方
 第6節 F1を「見る」ことと「遊ぶ」こと
 研究コトハジメ:「好き」を仕事(研究)にすべきか

第7章 創られる理想、作られる身体:私たちはどのようにボディ・プロジェクトへと向かうのか(竹﨑一真)
 第1節 身体をどうとらえるか?
 第2節 ポスト工業社会と身体の理想
 第3節 コンフィデンス・カルチャーとしてのボディ・プロジェクト
 第4節 身体から社会をゆさぶる
 研究コトハジ:記号であり生モノでもある筋肉

第8章 「黒い暴動」:移民たちはなぜ踊り始めたのか(稲垣健志)
 第1節 奴隷たちの隠れた抵抗
 第2節 「ロンドンは僕のための場所」か?:イギリスにおけるレイシズム
 第3節 カーニヴァルを再創造する
 第4節 「危機」を取り締まる
 研究コトハジメ:「真似る」という文化実践

第9章 『三つ目がとおる』と失われた過去の〈場所〉マヤ文明(鋤柄史子)
 第1節 二つの表象:三つ目とマヤ文明
 第2節 マヤ文明表象とポストコロニアリズム
 第3節 戦後日本のオカルトカルチャーと手塚のジレンマ
 研究コトハジメ:ゆさぶる「目」を身につける

第10章 オンライン空間の文化と社会参加:韓国におけるウトロ地区支援の一端(全ウンフィ)
 第1節 オンライン空間に浮かび上がる「社会」
 第2節 文化を基盤とする社会空間
 第3節 遊びの空間を橋渡しする人々
 第4節 サブカルチャーの空間性からみる社会参加
 研究コトハジメ:場所に込められたもの・こと

第11章 人と歴史をつなげる現代アート:現代在日コリアン美術を例に(山本浩貴)
 第1節 現代アートとは何か
 第2節 ソーシャリー・エンゲージド・アート
 第3節 リレーショナル・アートと敵対
 第4節 現代在日コリアン美術:呉夏枝と琴仙姫
 第5節 現代アートの力と可能性
 研究コトハジメ:現代アートを「研究」する

第12章 文化の「遺産化・財化」に抗う文化実践:「内灘闘争――風と砂の記憶――」展をめぐって(稲垣健志)
 第1節 内灘闘争
 第2節 文化を「遺産化・財化」するということ
 第3節 「風と砂の記憶」展2018・2021
 第4節 それがアートである理由
 研究コトハジメ:ぶらぶらのススメ

第13章 「カルスタ」を逆なでに読む:カルチュラル・スタディーズをゆさぶるために(稲垣健志)
 第1節 カルスタの「誕生」
 第2節 カルチュラル・スタディーズの翻訳:カルスタはパンクに出会ったのか?
 第3節 カルチュラル・タイフーンの発生:台風はどこに上陸するのか?
 第4節 カルスタをどう逆なでるか
 研究コトハジメ:それでもやはり


編者紹介

稲垣 健志(いながき けんじ)

金沢美術工芸大学美術工学部准教授。
主著(論文)に、‘Radicals Strike Back: A Memorandum for the Cultural Studies of Black Radicalism in Britain’『金沢美術工芸大学紀要』第65号(2021年)、「カルチュラル・スタディーズを裏返す―A. シヴァナンダンをめぐるいくつかの断章」『年報カルチュラル・スタディーズ』Vol.10(2022年)など。訳書に、ガルギ・バタチャーリャ『レイシャル・キャピタリズムを再考する―再生産と生存に関する諸問題―』(人文書院、2023年)。

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